新しくできた調剤物価対応料。届出は要るのか、「3月に1回」の3か月はどう数えるのか、気になりますよね。届出はいりません。算定要件と、公式にまだ決まっていないところにしぼってまとめました。

届出は不要。調剤物価対応料は申請しなくても算定できます
区分41 施設基準の定めなし
保険薬局ならどこでも、何も出さずに算定できる点数です。届出も、申請も、様式の提出もいりません。
| 令和8年度改定でできた点数(一部) | 届出 |
|---|---|
| 調剤ベースアップ評価料 | 必要 |
| 調剤物価対応料 | 不要 |

掲示は、調剤報酬点数表の一覧の中で扱います
調剤物価対応料だけを名指しした掲示の決まりは、告示・通知・疑義解釈(その13まで)にありません。ただ、薬局は調剤報酬点数表の一覧などを窓口に掲示することになっているので、一覧を貼り替えるときは物価対応料が入っているか確認しておくと安心です。
根拠厚労省の原文で確かめる調剤物価対応料(区分41)・調剤ベースアップ評価料(区分40)|告示/留意事項通知 <通則>8
[調剤物価対応料(区分41)]注 処方箋を受け付けた場合に、3月に1回に限り、所定点数を算定する。
[調剤ベースアップ評価料(区分40)]注1 (略)施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、(略)
[留意事項通知 <通則>8]保険薬局は、患者が当該保険薬局における業務内容及びその費用を理解できるよう、調剤報酬点数表の一覧等について、薬剤を交付する窓口等、患者が指導等を受ける際に分かりやすい場所に掲示するとともに、患者の求めに応じて、その内容を説明すること。

算定要件は「処方箋を受け付けたら、3か月に1回」
令和9年(2027年)6月から2点
算定要件、実はこれだけなんです。処方箋を受け付けたら3か月に1回、1点。令和9年(2027年)6月からは倍の2点になります。
| 時期 | 点数 |
|---|---|
| 令和8年6月〜令和9年5月 | 1点(3か月に1回) |
| 令和9年(2027年)6月から | 2点(3か月に1回) |

在宅の患者さんも、同じ1点・3か月に1回です
在宅で訪問している患者さんも、処方箋を受け付けていれば対象です。告示の条件は「処方箋を受け付けた場合」だけで、外来か在宅かで分けていません。

根拠厚労省の原文で確かめる調剤物価対応料(区分41)|告示・留意事項通知 p.66
41 調剤物価対応料 1点
注 処方箋を受け付けた場合に、3月に1回に限り、所定点数を算定する。ただし、令和9年6月以降は、所定点数の100分の200に相当する点数を算定する。
[留意事項通知 区分41 調剤物価対応料]保険薬局において処方箋を受け付けた場合に、3月に1回に限り、所定点数を算定する。

「3か月」の数え方は、公式にはまだ決まっていません
疑義解釈その13(令和8年9月25日)までで確認
3か月に1回の「3か月」、どこから数えるの? 実はこれ、厚労省のQ&A(疑義解釈)をその13まで見ても、まだ示されていないんです。
| 迷うところ | 公式の決まり |
|---|---|
| 3か月をどこから数えるのか | 示されていない |
| 患者さんごとか、薬局ごとか | はっきり書いた定めはない |
| 同じ日に、別々の医療機関の処方箋を受け付けたとき | 示されていない |
| 特別調剤基本料A・Bの薬局 | 示されていない |
| リフィル処方箋の2回目以降 | 示されていない |
| 分割調剤(調剤基本料の注9〜11) | 初回だけ(第4章) |
9月15日に算定したら、次はいつ?
答えは、3か月をどう数えるかで変わります。通則の「月」(1日〜末日)を3つ並べると12月1日からになりますが、これは当てはめで、公式に示されたものではありません。


決まっていないところは、どうすればいい?
- まずは、自分の薬局のレセコンがどう数えているかを確認してみてください。
- 判断に迷うケースは、管轄の地方厚生(支)局に問い合わせると、その地域での扱いがはっきりします。
- Q&Aは後から追加されることがあります。新しい疑義解釈が出たら、この部分を更新します。

根拠厚労省の原文で確かめる調剤物価対応料(区分41)の「3月に1回」|留意事項通知 <通則>9 p.2
算定回数が「週」単位又は「月」単位とされているものについては、特に定めのない限り、それぞれ日曜日から土曜日までの1週間又は月の初日から月の末日までの1か月を単位として算定する。

分割調剤のときは、初回だけ算定します
疑義解釈その12 問6
分割調剤をする薬局の話です。調剤物価対応料は分割した初回だけ算定し、別の薬局で続きを調剤したときは、その薬局での初回にも算定できます。
| Q&Aの対象になる分割調剤 | 調剤基本料の注 |
|---|---|
| 長期保存が難しいなどの理由で分ける | 注9 |
| 後発医薬品を試すために分ける | 注10 |
| 医師の指示で分ける | 注11 |
分割調剤そのもののしくみは、別の記事でまとめる予定です(準備中)。

根拠厚労省の原文で確かめる調剤物価対応料(区分41)・調剤ベースアップ評価料(区分40)|疑義解釈その12 問6
(問6)「区分00」調剤基本料の「注9」、「注10」又は「注11」に係る分割調剤を行う場合、調剤ベースアップ評価料及び調剤物価対応料については、どのように算定を行えばよいか。
(答)分割調剤を行う場合は、初回のみ算定すること。ただし、異なる保険薬局で分割調剤を行う場合は、各保険薬局における分割調剤の初回のみそれぞれ算定できる。

調剤物価対応料とは?物価高に対応するためにできた点数
区分41・令和8年6月1日から
物価が上がって、薬局の経費もじわじわ増えてますよね。その分をちょっとでも補おう、というのが調剤物価対応料です。
改定率で見ると、物価への手当てのうち保険薬局に回ったのは+0.01%。その枠を点数にしたのが調剤物価対応料です。
いつから算定できる?
令和8年(2026年)6月1日からです。

根拠厚労省の原文で確かめる調剤物価対応料(区分41)ができた理由|改定の概要【調剤】p.9
令和8年度及び令和9年度の物価上昇に段階的に対応するため、調剤基本料等の算定に併せて算定可能な加算として、物価対応料を新設する。

調剤ベースアップ評価料との違い
区分40と区分41
同じ改定で一緒にできた2つの点数です。違いは「点数」「取れる回数」「届出」の3つだけ押さえれば十分です。
| 項目 | 調剤物価対応料 | 調剤ベースアップ評価料 |
|---|---|---|
| 点数 | 1点(令和9年6月から2点) | 4点(令和9年6月から8点) |
| 取れる回数 | 3か月に1回 | 処方箋の受付1回ごと |
| 届出 | 不要 | 必要 |
| 区分番号 | 区分41 | 区分40 |

根拠厚労省の原文で確かめる調剤ベースアップ評価料(区分40)|告示
40 調剤ベースアップ評価料 4点
注1 当該保険薬局において勤務する職員の賃金の改善を図る体制につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、処方箋の受付1回につき、所定点数を算定する。
2 令和9年6月以降においては、所定点数の100分の200に相当する点数により算定する。

よくある間違い5つ
各章のおさらい

最後に3行でおさらい
1届出も申請もいらない
保険薬局なら、何も出さずに算定できます。→ 第1章へ
処方箋を受け付けたら3か月に1回、1点
令和9年(2027年)6月からは2点になります。→ 第2章へ
3か月の起点は、まだ公式に示されていない
決まっているのは分割調剤の扱い(初回だけ)まで。迷ったらレセコンと厚生局へ。→ 第3章へ
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免責事項
- 本記事は情報提供を目的としたもので、個別の算定の可否を保証するものではありません。実際の運用にあたっては、必ず管轄の地方厚生(支)局にご確認ください。
- 本記事は告示・通知・疑義解釈にもとづいて書いていますが、制度は改正・訂正されることがあります。判断の基準は、常に最新の告示・通知です。
参考・出典(すべて別タブで開きます)
診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)、その留意事項通知(保医発0305第6号)別添3、令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】、疑義解釈資料その1〜その13にもとづいて執筆しました。原文は下記のページからすべて確認できます。
- 令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省)
※告示・留意事項通知・改定の概要・疑義解釈資料が、それぞれの項にまとまっています。
本記事に引用した告示・通知・事務連絡の原文は、厚生労働省ホームページによります。
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